金田一くんの冒険 1 からす島の怪事件 (講談社青い鳥文庫) やっと届いて読み終わりました。
美雪ちゃん視点ですすむ児童書版。
そもそも小学校中学年(3、4年)からの本なので、スプラッタ的なものはないという点はご了承くださいですね。
本編や小説版では一ちゃん視点や犯人視点、あるいは第三者の客観的な文でナレーションされることが多いですが、こちらでは美雪ちゃんが語る方式で進みます。
そういえば以前金田一少年の記念本だかで天樹先生が「漫画も最初は美雪のナレにしたけど、漫画だから主人公が語れ」みたいな指摘を受けて一ちゃん語りにしたという話を聞いたことがありますが、児童書という新しい形に際してヒロイン(というよりワトソン的助手)の語りを再び選んでみた感じなのでしょうか?
美雪ちゃんが優等生なのは昔からということもあって、確かに小学生の一ちゃんが語るより解りやすいかも(笑)
また、一ちゃんとゲストヒロインとの関係にやきもきしたり、推理モードの格好良さに惚れ込んだりと、普段あまり描かれない美雪ちゃんの心情が伝わるのも楽しいですね。
ストーリーは製品説明欄にもあるかと思いますが、冒険クラブという活動の一環で、八丈島の先、烏島にお宝探しに向かうというもの。しかしそこには島姥という恐ろしい化け物がいて…?
小学生時代でも、VS怪人なのは相変わらずのようです(笑)
イメージとしては、墓場島と天草財宝の掛け合わせという印象。あくまで場の雰囲気であって、トリックとか動機とかは違いますが。
小学生向け、また犯人たちのこともあって、さほど複雑怪奇というわけではないんですが、シンプルだからこそ光るトリック…かも。
文字主体なので、何度か読み返す必要はあるかもですが、各推理について、前のページを振り返ってみると書いてあることも多いです。
被害者?たちのほうが悪人というのも金田一の伝統ですね。
大人が読んでも楽しめますが、金田一好きとしては以下2点だけ気になりました。
1つ目は容疑者というか登場人物の紹介欄の絵。
小説版だと一応全員出してくれるのですが、青い鳥文庫の場合は金田一サイドの幾人かのみとなっています。
物語中の挿絵としては出てくる人もいるのですが、どの絵がどのキャラなのかっていう意味で、人物紹介にちゃんと出して欲しいなあという感じ。
ところで高瀬教授の絵がどうみても50代には思えないんですが、小学生の美雪ちゃんからするとそのぐらいに見えるということなんでしょうか…?w
2つ目は、美雪ちゃん曰く「一ともっとも仲が良い草太くん」に絡めて。
ぶっちゃけ、草太くん最近は漫画でも過去話に絡んで出てきているので、登場することは良いんです。美雪ちゃんが仲良さそうに見えるのも理解できます。
が。
そこはやっぱり、千家くん出して欲しいなあ。みたいな。
犯人だから過去まで出るなってのは、なんか違うと思うんですよね。一ちゃんにとって真相を暴くのが辛かった犯人の代表格なんですから、良き友人としてのエピソードを増やしてもっと煽ってくださいよ。ぐらいの気持ちがあります。
逆に過去に絡んでこないって、本当に友人なのか疑わしくなり、帰って魔犬の森の辛さが薄れてしまう気がするのが嫌かなーと(平和なところでのみ絡んでる?w)。
とはいえ、星1つ削るほど酷くはないので5つのままで。
今作は冒険1ということで、2以降も楽しみにしたいと思います。
そういえば今作では姥捨て山の逸話に絡めての話でしたが、今後も何かの伝説や逸話に絡めた展開になるのでしょうか?
逸話のオチを知っている人には推理材料になるでしょうし、知らない人にはちょっとしたトリビアになるので、そういう意味でも児童書として良い印象です。
以下、中身のネタバレ含みます。
手付かずの自然VS開発業者
その点を踏まえると、殺戮のディープブルーっぽさもあるかもしれませんね。いや犯人たちは別にテロったりしませんが(笑)
子供が関わっているのも、共通。というか大人だけの事件で解決しない点が、良いなと思いました。
そもそも読者が小学生対象なので、悪いことするなよ的な意味で、「犯人が小学生」は避けられるかなとも思っていたので。そこは杞憂でしたね。
被害者のいない事件
脅かされたリゾート会社の人達はある意味で被害者かもですが、怪我をさせられたり、ましてや殺されたりという展開のない事件。この点はさすがに配慮かな。
孫が小学生の頃から殺人事件まで解決していたら、じっちゃんもびっくりでしょうね(笑。そういえば、雪鬼伝説で、じっちゃんが生きている頃の一ちゃんが出てきますが、あれって小学生ぐらいなのでは?帰宅後にお話したりするんですかねー。)
真のテーマは親心?
姥捨て山のオチが、自分を捨てに行く息子が帰り道迷わないようにと、道しるべに木の枝を折っては道に巻くおばあさんというストーリーで。
表面的には烏島の自然を守ろうとする島民と外部のリゾート会社なんですが、中心となる宿の主人と息子という親子の話が書かれているのもポイントかな。
息子はリゾート会社に騙されているのかはわかりませんが開発賛成派で、一応はリゾートで島の発展や、収入が増えることでお父さんと一緒に暮らせるなどの動機があります。
しかし今の状態を望んでいるお父さん側にとっては必ずしも幸福とは言えない、出て行ったのは子供の方だけど、それは姥捨て山と変わらないって一ちゃんの啖呵は格好良いですね。
んで、宿のご主人、そんな息子さんの話を知っても、「疲れてないか?」とか労わるんです。上でも触れましたが、少しは自分のことを考えてくれているってのがあったからかもですが、普通怒っても良いですよね。
いや実際何度か喧嘩っぽい感じはあったそうですが、ここではそんな態度を見せなくて。
このあたりも、児童書としては最適でしょうねえ。なんて。いやむしろ大人になっちゃったかつての子供たち向けか?
自然環境問題よりも、ぐさっとくる部分があるかもしれません。
【児童書版キンダニ】金田一くんの冒険 1 からす島の怪事件
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